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流れ星が雨のように降り注ぐという壮観な天文現象「しし座流星雨」が、33年ぶりに帰ってきます。はたしてその日は来るのでしょうか。


しし座流星雨詳細流星雨の観測解説

今年のしし座流星雨・いつどこで見る?



しし座流星雨の期待

大出現の可能性はあるか

 皆既日食、オーロラ、巨大彗星・・・人生観を変えてしまうといわれる天空の現象はいくつかありますが、その最たるものが「流星雨」といわれます。おそらく一生に1度でも流星雨に遭遇できる幸運な人たちは、この世に一握りしかいないでしょう。空を埋め尽くす無数の流れ星、星空の静寂が、その時ばかりは、星の吹雪の様相を示すといいます。その世紀のイベント「しし座流星雨」が、11月18,19日に迫っています。はたして、私たちは、寒風が吹きすさぶ空に、たくさんの流星を見ることができるのでしょうか。
 地球が毎年11月の18日頃に通過する道筋は、ちょうどしし座流星雨の物質の帯と交差しています。帯は、「テンペル・タットル彗星」がまき散らしたチリによって形作られていますが、普段の年は、密度も少なく多くの流星を見ることはできません。しかし、33年周期で軌道を回るこの彗星の直前直後に地球がそこを通ると、普段よりもはるかにおびただしい数のチリが地球に飛び込んで大流星雨を引き起こすのです。
 彗星は、1998年の2月にアマチュア天文家によって検出され、すでに地球軌道との交差点を250日ほど前に通過しています。33年ぶりにその軌道上には、多くの流星物質がちらばり、地球に飛び込む時を待っているかもしれません。
 しし座流星雨の過去のデータを見てみると、特に顕著な出現は1799年、1833年、1966年に起こり、それより少し活動の弱い出現が1866-68年と1900-01年に見られました。
 天文学者達は長い間、1998年と1999年、いずれかの年に顕著なしし座流星雨が見られるだろうと予想してきました。多くは、その出現のピークが世界時の17日19〜20時前後と定めています。これは、日本時間で18日早朝4時〜5時、日本を含む東アジアでは、暗い空にしし座が東の空高く昇るため最も条件の良い場所と考えられています。
 出現の規模についての予想は様々です。ある科学者は、地球と流星物質との交差点が、1時間に10万個にも達する大出現をした1966年に酷似しているといい、また、ある学者は、かなりの隔たりがあるため多くの流星は出現しないだろうと述べています。 
 今年は、一晩中月がないために、もし晴れれば、条件は最良となります。大出現のピークは、約1時間、多くの明るい流星が出現すれば、市街地でも十分にその様子を楽しむことができるでしょう。

11月17〜18日しし座流星雨の流星物質の帯に地球が入り込んだ様子を示したものです。流星物質の帯は、地球の軌道面に対して17°の傾きで交差しており、その方向は、地上から見るとしし座の頭の方向になります。(各惑星の大きさは強調してあります)

 毎年11月17〜18日頃ピークを迎える「しし座流星群」は、ふだんの年でも、ピーク時に1時間当たり約30個の流れ星を見ることが出来ます。そして、33年毎に大出現を繰り返し、まるで雨のように降り注ぐ流れ星の景観を見せることから、史上最も有名な「しし座流星雨」という現象を私達にもたらします。
 その記録は、紀元902年までさかのぼることが出来ます。1799年には、ブラジルでフンボルトが眺めている様子が絵に残っていますし、1833年の出現は流星観測史上空前絶後の大出現を見せ、その凄さを伝える多くの図版が残されています。この時は、最も多いときで1時間に20万個の流星が5〜6時間にわたって流れ続け、「吹雪の時に舞う雪片のようなながめであった。」といいます。
 この出現をきっかけに、科学者は過去の記録を検証し、33年〜34年の規則正しい周期で11月に起こったすべての流星雨が同一のものであることを突き止めました。しし座流星雨の存在が確定したのです。
 今日では、この流星雨が、33年の周期で公転する「テンペル・タットル彗星」がまき散らしたチリによって起こることが分かっています。
 前回の出現は、1966年でした。この時は、アメリカやヨーロッパを中心に大出現が観測されました。ピーク時の1分間に流れた流星は2400個、1時間では何と15万個にのぼったと言います。初めての写真撮影が行われましたが、2分足らずの露出を加えた1コマの写真に、20個もの流星が写っていたといいます。

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